ショーペンハウエルの目に今の世の中はどう映るか?
ショーペンハウエルという哲学者をご存知でしょうか?
1788年~1860年に活躍した、毒舌のドイツの哲学者です。
この方の著書「読書について」は、読書好きの方が読むと、しばらく立ち直れなくなる、強烈な作品です。
私もその一人でした。学生時代に、かなり打ちのめされました。
最近ふと思い出し、再読してみましたが、やはり今度も打ちのめされました。
内容は、
「読書をしすぎると、思考能力が低下するよ」
ということです。
この作品の主張が全て正しいとは私は思いません。
しかしそのメッセージは、インターネット社会でも通用する「警告」として、頭の片隅においておく必要があると思います。
興味のある方は、読んでみてください。
岩波文庫だと、本文は22ページしかありません。
しかし内容は充実しています。同じ本に収録されている「思索」もおすすめです。
内容をすこし引用しておきます。
これだけでもかなり効きませんか?
・読書は他人にものを考えてもらうことである。本を読む我々は、他人の考えた過程を反復的にたどるに過ぎない。
・ほとんど丸一日を多読に費やす勤勉な人間は、次第に自分でものを考える力を失っていく。
・この貴重なものは、本来高貴な目的のために書かれた良書に向けられてしかるべきなのに、金銭めあてに、あるいは官職ほしさに書かれるに過ぎない悪書が、横から略奪するのである。
・紙上に書かれた思想は、砂上に残った歩行者の足跡に過ぎない。歩行者のたどった道は見える。だが歩行者がその途上で何を見たかを知るには、自分の目を用いなければならない。
※ショーペンハウエル著 斉藤忍髄訳 「読書について」より引用